LoLパッチ26.15は、ベルヴェスが生まれ変わり、シーズン3が始まるパッチ
LoL パッチ26.15が実装されました。今回の主役は文句なしでベルヴェス。基本ステータスからスキルまで、ほぼ全項目に手が入る実質リワーク級の大改造です。序盤の暴力的な強さを削る代わりに、スタックを貯めきると「真の姿」が永久に持続するようになりました。
そして前回のパッチ26.14で初のナーフを受けたロックは2連続の弱体化。同じく26.14で強化されたばかりのモルデカイザーは、早くも一部が巻き戻されます。
さらに今回はランクシーズン3の開幕と同時のパッチ。「武勇のイージス」の仕組みが大きく作り変わり、これがボットレーンの環境にじわじわ効いてきそうです。メイヘムとアリーナにも大量の調整が入っています。
パッチ26.15は「ベルヴェスをスタック型のスケーリングチャンピオンに作り変え、勝ちすぎているロックを抑え、伸び悩んでいたADCまわりを底上げするパッチ」です。ランク面では「武勇のイージス」が”勝利”中心の設計に刷新されました。
⚠ ランクシーズン3がこのパッチで開幕します
7月29日 正午12時(サーバー時間)からシーズン3が始まります。ランク戦15勝の「勝利の栄光」ミッションは新シーズン開始時にリフレッシュされます。
シーズン2の報酬はシーズン3開始後に配布されます。報酬配布中はシャード移行サービスが一時的に利用できませんのでご注意ください。
先行情報(プレビュー)からの変更点
7月22日に公開された変更予告から、実装時に変わった点が2つあります。先行情報を追っていた方は、ここだけでも確認しておいてください。
特に大きいのがサンダード スカイの弱体化が見送られたことです。予告段階では「ファイターアイテム系統の見直し」として弱体化が示唆されていましたが、今回のアイテム変更に同アイテムは含まれていません。ADファイター系ジャングラーの1コアは据え置きということになります。
もうひとつは、ベルヴェスの「真の姿が無限に持続する」条件です。予告では「レベル16(Rランク3)で無限」と説明されていましたが、実装版はRのスタック数に応じた3段階になりました。詳細は次の項目で解説します。
サモナーズリフトの変更点
【最重要】ベルヴェス大改造:スタックを貯めきると「真の姿」が永久になる
基本ステータス・固有スキル・Q・W・E・Rのすべてに手が入る、実質リワークと言っていい規模の変更です。運営コメントでも意図がはっきり示されています。
「試合終盤に向けてスケーリングするチャンピオン」という彼女のテーマを実現できるように、ゲームプレイパターンの試合序盤への依存を緩和することが狙いです。
基本ステータス:序盤の性能を全面カット
攻撃速度0.85→0.67が最も重い変更です。通常攻撃でジャングルを削るチャンピオンなので、クリア速度とレベル2〜4のガンク性能に直撃します。防御と体力は基本値を下げて成長値を上げる形で、終盤重視へのシフトが数値にも表れています。
固有スキル・Q・W・E:役割がはっきり作り替えられた
固有 スキル後の攻撃速度
通常攻撃2回で20〜40% → 3秒間20%
固有 スタックごとの攻撃速度
0.28〜1.1% → 0.1〜2%
Q チャージ時間
1秒 → 4 / 3.25 / 2.5 / 1.75 / 1秒
Q ミニオンへのダメージ
60〜100% → 削除
Q ダメージ
0/5/10/15/20 → 12/14/16/18/20
W ダメージ
70/110/150/190/230 → 80/140/200/260/320
W スロウ
1.25〜2.25秒 50% → 2秒 30%
W ノックアップ
0.75秒 → 0.6/0.7/0.8/0.9/1秒
E 通常攻撃ごとのダメージ
6/7/8/9/10 → 10/12/14/16/18
E 減少体力によるダメージ増幅
300% → 100%
E ダメージ軽減
35/40/45/50/55% → 20/30/40/50/60%
E クールダウン
20/19/18/17/16秒 → 24/21/18/15/12秒
E モンスターへのダメージ
150% → 200%
方向性は一貫しています。スキルレベル1の性能を下げ、レベルを上げきったときの性能を上げる。Qのチャージ時間(ランク1で4秒)とEのクールダウン(ランク1で24秒)は特に顕著で、序盤はスキルがまともに回りません。逆に最大ランクではどちらも従来以上です。
Eの減少体力によるダメージ増幅300%→100%も大きな変更です。「体力が減った相手を一瞬で刈り取る」性能が落ち、代わりにダメージ軽減が最大60%まで伸びて殴り合いで粘る方向に寄りました。
R「終わりなき晩餐」:ここが今回の心臓部
R 自動効果の適用
通常攻撃2回ごと → 通常攻撃ごと
R ターゲット切り替え
自動効果が消滅 → 消滅しなくなった
R 固有の確定ダメージ
6/10/14(+増加AD12%) → 2/4/6(+増加AD3%)
R エピックモンスターの最大スタック
10 → 8
R 爆発ダメージ
魔力反映 100%→150% / 減少体力 25%→20%
R 増加体力ごとの回復量
100/150/200(+AD120%)(+魔力90%) → 100/250/400(+AD150%)(+魔力150%)
R 通常攻撃の射程ボーナス
75 → 25 / 75 / 125
R 合計攻撃速度
10/15/20% → 5/15/25%
R バフ効果時間
60秒/180秒 → 45秒 / 90秒 / 無限(0 / 40 / 80スタック)
R スキル使用後のクールダウン
0.5秒 → 0.25秒
「真の姿」は、R「終わりなき晩餐」で変身する強化形態のことです。今回の変更を理解するために、仕組みから整理します。
① 変身するには「ヴォイドコーラル」が必要
チャンピオンかエピックモンスターからキルまたはアシストを獲得すると、その場に「ヴォイドコーラル」が1つ残ります。これを吸収する(Rを発動する)ことで真の姿になります。誰かを倒さないと変身できないのがベルヴェスの大前提です。
② 変わったのは「持続時間の決まり方」
| 変更前 | 通常のコーラル=60秒/ヴォイド系エピック由来=180秒 |
|---|---|
| 変更後 | Rのスタック数で決定 ─ 0スタック=45秒/40スタック=90秒/80スタック=無限 |
つまり「どのコーラルを食べたか」から「どれだけスタックを貯めたか」へ判定基準が変わりました。予告段階の「レベル16で無限」という説明とも異なるので注意してください。
③ スタックはどう貯まる?
Rの自動効果は、これまで同じ対象への通常攻撃2回ごとにスタックしていましたが、今回から通常攻撃ごとに変更。さらにターゲットを切り替えてもスタックが消えなくなりました。つまり試合を通じて殴り続ければ、スタックは着実に積み上がっていきます。エピックモンスターからは最大8スタック得られます。
その代わり、1スタックあたりの確定ダメージは6/10/14 → 2/4/6と大幅に下げられました。「スタックはダメージ源から、変身時間を伸ばす資源へ」と役割が変わった、と捉えると分かりやすいです。
④ 真の姿で得られるもの(Rランク1/2/3)
- 攻撃射程 +25/75/125(従来は全ランク+75固定)
- 合計攻撃速度 +5/15/25%
- サイズ +10/15/20%
- 増加体力ごとの回復量 100/250/400(+増加AD150%)(+魔力150%)
ランク3の射程+125と攻撃速度+25%は従来より明確に強力です。序盤は弱く、育て切ると手が付けられないという設計が、ここでも徹底されています。
一番効いてくるのは基本攻撃速度0.85→0.67と、Qのチャージ時間がランク1で4秒になったことです。「Qを連打してカイトしながら殴る」という得意ムーブは、序盤ほぼ成立しません。
つまり、これまでの「序盤に暴れて雪だるま式に勝つ」型は事実上の廃止です。今後は次のような立ち回りが基本になります。
- 序盤は無理なインベードを避け、安全なファームとスカットル確保を優先
- Rのスタックを貯めるため、通常攻撃を当てる機会を意識的に増やす(ターゲットを切り替えても消えないのが追い風)
- エピックモンスターは最大8スタックの供給源。オブジェクト管理がそのまま強化につながる
- 80スタック到達を明確な勝ち筋のスイッチとして意識する
「序盤で試合を決めるキャリージャングラー」から「耐えて殴り勝つスケーリングジャングラー」へ。性質が真逆に変わるので、慣れるまでは意識的に我慢するプレイが求められます。
弱体化されるチャンピオン
ロック弱体化:2パッチ連続、今度は4方向すべてを削る
Q 基本ダメージ
50/58/66/74/82 → 40/48/56/64/72
Q ネイル3本命中時
150/174/198/222/246 → 120/144/168/192/216
W 増加移動速度
40/45/50/55/60% → 40%(全ランク)
W 灰色の体力
40/70/100/130/160 → 40/60/80/100/120
W 灰色の体力の反映率
120% → 100%
26.14に続く2パッチ連続の弱体化です。運営コメントでは「習熟曲線が上昇し続けている」「スノーボールすることが重要なアサシンであることを考慮しても、試合序盤が明らかに強すぎる」と、かなりはっきり名指しされています。
特に効くのはWの増加移動速度が全ランク40%固定になったことです。スキルレベルを上げても速くならなくなるため、「逃げ切れない/追いつけない」場面がはっきり増えます。Q3本命中時のダメージも30ポイント下がっており、コンボの詰め性能も落ちます。
モルデカイザー調整:26.14のRバフを巻き戻し、代わりにEを強化
R ステータススティール
13% → 10%
E クールダウン
18/16/14/12/10秒 → 16/14/12/10/8秒
R 不具合修正
ダメージ反映が正しく計算されるように
26.14で10%→13%に上げたばかりのRのステータススティールが、1パッチで元の10%に戻ります。運営コメントも「前回のパッチで行ったRへのバフはやり過ぎだった」と率直です。
ただし完全なナーフではなく、「代わりに敵を捕らえて自身の射程内に留めておくスキルを強化する」という方針でEのクールダウンを2秒短縮。トップの対面としては、Rを吐かれる前にEで引っ張られる回数が増える点に注意です。
ナフィーリ弱体化:Rの火力を基礎値・反映率の両方でカット
R ダメージ
150/225/300 → 125/200/275
R 増加攻撃力反映率
120% → 100%
R 群れの仲間のダメージ
15/22.5/30 → 12.5/20/27.5
R 群れの仲間の反映率
12% → 10%
基礎値だけでなく増加攻撃力の反映率も120%→100%まで下がっているのがポイントです。プレビュー段階では反映率の変更は公表されていなかったので、想定より重い弱体化になりました。フルビルドの終盤ほど影響が大きい調整です。
運営コメントは「ソロキューでもプロシーンでも相変わらずメタの中心」「アルティメットスキルを連続使用して勢いに乗った際に依然として強い」。連続キルで転がっていく展開を抑えにきています。
リヴェン弱体化:Rの処刑ラインが下がる
R「追放者の刃」増加AD反映
25% → 20%
R ウィンドスラッシュの最小/最大反映
60% / 180% → 55% / 165%
運営コメントによると、弱体化の背景にあるのは「終わりなき飢え」の存在。「リヴェンは自身のプレイスタイルにほぼ完璧にフィットする、極めて強力な新しいツールを手に入れた」とのことで、チャンピオンではなくアイテムとの噛み合いが強すぎたという判断です。
勝ち筋は「コンボで削ってR再発動でとどめ」なので、その最後のひと押しが届きにくくなります。対面する側はあと一歩粘れば逃げ切れる場面が増えます。
サイラス弱体化:Q1のダメージと魔力反映を低下
Q 1発目のダメージ
40/65/90/115/140 → 40/60/80/100/120
Q 魔力反映率
45% → 40%
「パッチ26.12での強化は私たちの想定を少し超えていた」ため、少しだけ手綱を引いたという位置づけの調整です。ウルトの性能には手が入っていないので、集団戦での価値は据え置き。下がるのはレーン戦の主導権だけです。
強化されるチャンピオン
カイ=サ強化:終盤の伸びを取り戻すための固有強化
固有 プラズマの追加ダメージ
4〜24 → 4〜30
固有 スタックごとの追加ダメージ
1〜6 → 1〜8
運営コメントが的確です。「射程の短さを補うためにハイパースケールするマークスマンであるはずなのに、肝心の試合終盤に強くなれていない」。今回はまさにその終盤の伸びを底上げする内容で、レベルが上がるほど恩恵が大きくなります。
マオカイ強化:ジャングルクリア速度の改善
Q モンスターへのダメージ
140/150/160/170/180 → 150/160/170/180/190
Q 魔力反映率
40% → 50%
モンスター限定のダメージと魔力反映を同時に強化。ジャングルマオカイの復権を狙ったピンポイントな内容です。運営コメントでは「トップにおける彼のレーン戦は関係者全員にとって素晴らしい体験とは言えない」とも述べられており、トップではなくジャングルへ寄せたい意図が読み取れます。
ボリベア強化:序盤のQクールダウンを2秒短縮
Q クールダウン
14/13/12/11/10秒 → 12/11.5/11/10.5/10秒
最大ランクの10秒は据え置きで、ランク1で2秒短縮という序盤限定の強化です。「このクマさんは数パッチにわたって昼も夜も冬眠を続けている」というコメント通り、長く低迷していました。今回はレーンのボリベアが相手との距離を詰める能力を高めた形です。
ザック強化:硬さとイニシエート頻度を同時に強化
E クールダウン
22/19/16/13/10秒 → 21/18/15/12/9秒
レベル18時点で物理防御が合計+8.5。加えてEのクールダウンが全ランク1秒短縮され、飛び込む回数そのものが増えます。「ジャングルにおける彼の存在感がかなり低下している」という認識からの底上げです。
アリスター強化:基本移動速度+5
数値は小さいですが、運営コメントを読むと狙いがはっきりします。「『モビリティ ブーツ』と『共生靴底』がなくなって以来ゲームプレイに制約を受けている」「現在は彼が本来活躍できるはずのロームサポート向きのメタであるにもかかわらず、活躍できずにいる」。
失われた機動力を、基本ステータスで少し返す形です。W→Qのコンボを当てに行ける距離が伸び、ローム性能も上がります。
アイテム・ルーンの変更
今回のアイテム変更は3つとも「伸び悩んでいたアイテムの底上げ」です。予告されていたサンダード スカイの弱体化は見送られました。
バスティオンブレイカー強化:200G値下げ+確定ダメージ大幅増
攻撃力55・脅威22・スキルヘイスト15を持つ、アサシン向けの脅威(レタリティ)アイテムです。運営コメントは「リリース以来ピック率が底を打っており、脅威系アイテムのなかで次に人気がないアイテムともかなりの差が開いている」と手厳しい評価。値下げと確定ダメージ約1.7倍で、一気にテコ入れしてきました。
基本性能
- 攻撃力 +55 / 脅威 22 / スキルヘイスト 15
- 価格:3000G(26.15で3200Gから値下げ)
- レシピ:ブルータライザー + セレイテッド ダーク
2つのパッシブ
- シェイプドチャージ:チャンピオンまたはエピックモンスターにスキルダメージを与えると、追加で確定ダメージ。← 今回30→50に強化された部分
- サボタージュ:敵チャンピオンにダメージを与えてから3秒以内にキルまたはアシストを獲得すると90秒間発動。この間、エピックモンスターまたはタワーへの次の通常攻撃で追加の確定ダメージ。
ひとことで言えば「キルを取った勢いで、そのままドラゴンやタワーを折るためのアサシン向けアイテム」。カ=ジックスやゼド、ジェイスなど、キルを取ってからオブジェクトへ動くチャンピオンと噛み合います。採用の約7割がジャングルというのも、サボタージュの条件がキル/アシストだからです。
テルミヌス強化:オンヒットにAD・魔力の反映を追加
運営コメントが今回のテーマそのものです。「通常攻撃時効果を主軸とするスケーリングビルドの最上位アイテムとなることが想定されていたが、真に試合終盤向けのスケーリングアイテムというよりは、試合中盤にダメージスパイクが得られるアイテムとなっていた」。
固定値だった追加ダメージに反映率が付くことで、他のアイテムを積むほど伸びる設計に変わります。カリスタ・コグ=マウ・ヴェインなど、採用の約8割がボットレーンのオンヒット型ADC向けアイテムです。
ユン・タル ワイルドアロー強化:100G値下げ+攻撃速度アップ
「今年の初めはスケーリングに優れた定番クリティカルアイテムとなっていたが、そこから大きく地位を落としている」との評価。クリティカル軸ADCの1コア候補が、安く・速くなります。
なんでも屋(ルーン)弱体化:汎用ルーンの効率を低下
「『終わりなき飢え』『グラトナス ブーツ』『ドラン ヘルム』のようなアイテムで、さまざまな異なるステータスを比較的低いコストで入手できるようになっている」ため、スタックが溜まりやすくなりすぎたという判断です。「試合の序盤と終盤の両方を弱体化しても、コストに見合った効果を得られる余地が十分にある」とのこと。
ランク:シーズン3開幕と「武勇のイージス」の刷新
今回のパッチでランクシーズン3が始まります。そしてチャンピオンの数値以上に環境へ効きそうなのが「武勇のイージス」の作り直しです。
運営コメントを読むと、問題意識がはっきり書かれています。
「武勇のイージス」はどこでもオプションの試合を完了する価値を高めてくれましたが、敗北時の保護とマスタリーの要件が理由で、勝利のためではなく、マスタリー評価のためにプレイするという副次的な目標が生まれてしまっていました。これはランク戦のインセンティブとして、私たちが皆さんに求めることとは真逆です。
つまり「負けてもいいから個人スコアを稼ぐ」動きが発生していたことを、Riot自身が認めた形です。今回はそれを「勝利」中心に作り直しました。
あわせて、マスターのデュオキューが解禁されます。同じくらいのランクの相手となら組めるようになりましたが、グランドマスター・チャレンジャー、およびそのMMR保持者はデュオ不可です。
テルミヌスとユン・タルが強化され、カイ=サも強化。ADC側に3つの追い風が入りました。ただ、環境を動かす力が本当に強いのは、実は「武勇のイージス」の変更のほうだと見ています。
アイテム強化だけでは、たぶん足りない
- ユン・タル:100G値下げ+攻撃速度5%。1コア完成がわずかに早まるだけで、レーンの殴り合いの強さは変わりません
- テルミヌス:反映率の追加は3〜4コア以降に効く強化。運営自身が「真に試合終盤向けのスケーリングアイテムにする」と明言しています
- カイ=サ:強化されたのは固有スキルのスタック部分で、こちらも終盤寄り
メイジボット相手にADCがつらいのはレーン戦で一方的にハラスを受ける局面です。そこに直接効く変更は、今回ひとつも入っていません。
本命は「武勇のイージス」──ロームサポートが減る可能性
そもそもメイジボットが選ばれるのは、メイジの数値が強いからではありません。サポートが早い段階でボットを離れてしまうからです。ボットが1人になる時間が長いなら、レベル依存度が高く一人でファームできるメイジを置くのが合理的、という理屈で選ばれてきました。
ここで効いてくるのが今回の変更です。これまでは敗北時のLP減少保護とマスタリースコア要件があったため、極端に言えば「適当にワードを置いて個人スコアさえ稼いでおけば、負けてもLPはほぼ減らない」という状態でした。スコアはビジョンやダメージなど個人指標で積み上がるので、レーンを離れて動き回るほど得という歪んだ動機が生まれていたわけです。
26.15からは保護もスコア要件もなくなり、勝った試合でしか恩恵(2倍LP)が得られません。個人スコアを稼ぐ意味が消え、勝つための動きしか報われなくなります。
その結果として期待できるのが、「とりあえずローム」の減少です。サポートがボットに留まる時間が延びれば、ADCが2人で戦える時間も延びる。ボットレーンが本来の2v2に戻れば、メイジボットを置く理由そのものが薄れていきます。
アイテムとランク仕様、2つの追い風が噛み合う
ADCというロールの最大の武器はフルビルドまで到達したときの継続火力です。ADCの火力は「1発あたりのダメージ(攻撃力+クリティカル+オンヒット効果)× 攻撃速度」というかけ算で決まるため、アイテムが揃うほど伸び方が加速していく構造になっています。
しかもシーズン26からは、ボットレーンのロールクエスト(1350ポイント)を達成するとブーツが「ロールクエストスロット」へ移動します(パッチ26.1より)。実質7個目のスロットが解放されるので、ブーツを売らずに6枠すべてを完成アイテムで埋められます。かけ算が完全に最大化されたADCがタンクすら数秒で溶かせるのは、このためです。
対してメイジの火力はスキルのクールダウンに縛られた「一発ぶん」。アイテム2〜3個の時点が最も費用対効果が高く、そこから先の伸びはADCほど急ではありません。「短い試合ならメイジ、長い試合ならADC」という力関係はこの差から生まれています。
今回は終盤に伸びるアイテム強化と、レーンに人を戻す方向のランク仕様変更が同時に入りました。26.14でセラフィーン・セナが弱体化されたことも合わせると、3つの変更が同じ方向を向いていることになります。すぐに劇的に変わるとは考えにくいものの、ここ数パッチで最もADC側に風が吹いているのは間違いありません。
バグ修正・QOLの変更:試合に影響するものだけ抜粋
今回は不具合修正が中心です。そのなかでも、実際のプレイに影響が出る5つを押さえておきましょう。
- ダイアナのEで地形を越えてダッシュできなかった不具合を修正。
壁越えの逃走・追撃が正しく機能するようになります。ダイアナ側は実質的な機動力強化、対面は「壁があるから安全」という前提が崩れます。 - 「ジーク コンバージェンス」の発動効果がモンスターにダメージを与えなかった不具合を修正。
オブジェクト戦での火力が正しく出るようになります。同アイテムを積むサポート・タンクにとっては実質バフです。 - 「死神の残り火」の炎上効果時間が、効果時間の短いスキルで上書きされていた不具合を修正。
スキルを連打するチャンピオンほど損をしていた不具合です。継続ダメージが想定通り出るようになります。 - ニーラのQまたはEの直後の通常攻撃で「ヘイルブレード」が発動しなかった不具合を修正。
コンボの火力が本来の値に戻ります。 - ロックのRのアーティファクトが、命中時に敵が無敵状態だとアーティファクトを回収できなかった不具合を修正。
ゼドのRやゾーイの妨害と絡んだときの事故がなくなります。
このほか、ニーコの擬態関連の不具合が6件まとめて修正されています(ヴォイドボーンリフトスカトル、ルルのピックス、ニダリーのクーガー形態、エリスの蜘蛛形態、DJ ソナの各形態、スモルダーの角)。ニーコ使いの方は一度確認しておくとよさそうです。
また「デスの原因」ウィンドウが表示されないことがあった不具合や、ミッドレーンのロールクエストで入手したティア3ブーツが取り消しボタンで払い戻しできなかった不具合も修正されています。
ランダムミッド:メイヘムの変更点
今回のメイヘムは「与ダメージ補正システムの刷新」が本題です。これに伴って、31体のチャンピオン補正がまとめて整理されました。
与ダメージ補正が、スキル・通常攻撃・アイテム・オーグメントのすべてのダメージに適用されるようになりました。これまでは適用範囲に抜けがあったため、個別のチャンピオン補正で辻褄を合わせていた部分があり、今回それらが一斉に整理されています。
チャンピオン調整:多くは「補正を撤廃して素の性能に戻す」内容
補正システム自体が正しく効くようになったため、個別に付けられていた補正の多くが0%/100%(=補正なし)に戻されました。傾向ごとに見ていきます。
オーグメント調整:防御系とバースト系がまとめて強化
攻撃・防御の両方が最大5割増しという大盤振る舞いです。レベルを上げるほど差が開くので、重ね取りする価値が一気に上がりました。
足止め性能を削って、召喚したティバーズの生存力に振り替える再設計です。スタン1秒減は痛いですが、レベル1でも体力+1000が付くようになり、序盤から機能するようになりました。
アリーナの変更点
アリーナは「オーグメントの最大レベルを3から2へ減らす整理」と、不遇チャンピオンの底上げが二本柱です。
最大レベルが3→2になったオーグメントが6種類あります(悪魔の抱擁/クリティカルの律動/レーザーアイ/スキルの覚醒/アースウェイク/タップダンサー)。多くはレベルあたりの効果を上げて総量を維持する形なので、単純な弱体化とは限りません。
チャンピオン調整:スレッシュが大幅強化
このほかエリス(WのCD短縮)・ザック(WのCD短縮)が強化、カイ=サ(固有の通常攻撃時効果・爆発ダメージ・Qの魔力反映率)とタム・ケンチ(Eの灰色体力変換率)が調整されています。
アイテム・システム変更
注目は変換率の1:1化です。余ったクリティカル率が目減りせずアダプティブフォースへ変わるようになるため、クリティカル系アイテムを重ねたときの無駄が消えます。クリティカル軸ビルドの評価が全体的に上がる変更です。
オーグメント調整
このほかクリティカルの律動・アースウェイク・タップダンサーも最大レベルが3→2に変更されています。
同日実装:LoL Classicとプレステージスキン2種
パッチ26.15にあわせて、旧バージョンのLoLをベースにした新モード「LoL Classic」が登場します。60体のチャンピオンが当時の仕様で実装され、複雑なメカニクスよりも戦略性を重視した設計。2010年代のグラフィックと、「ゴールデンハート」のような懐かしのアイテムも再現されます。
あわせてプレステージスキンが2種(7月30日実装)登場します。専用クロマも用意されています。
また「ディヴァインソブリン ダリウス」と「フォールン ディヴァインソブリン ガレン」がパッチ26.19まで復刻されます。持っていない方はこの期間中に。
まとめ:モード別に「最初に試すもの」を決めておこう
- ベルヴェスは実質リワーク。80スタックで真の姿が無限に
- ロックは2連続ナーフでWの移動速度が全ランク40%固定
- サンダード スカイの弱体化は見送り
- 7/29 正午にシーズン3開幕
- 武勇のイージスは勝利時のみ恩恵(2倍LP)
- マスターのデュオが解禁
- 与ダメージ補正が全ダメージに適用されるように
- ミニオンダメージ撤廃でジグス・ティーモらが強化
- 新オーグメント「連鎖反応」は要チェック
- スレッシュが大幅強化で最有力候補に
- ツイステッド・フェイトのR CDが4分の1以下
- クリティカル変換率1:1でクリ軸の評価上昇
パッチ26.15は、ベルヴェスという1体に大改造が入りつつ、ランク仕様の見直しという「盤外」の変更が環境を動かしそうな珍しいパッチです。チャンピオンの数値だけを追っていると、「武勇のイージス」がもたらすボットレーンの変化を見落とすことになります。
シーズン3開幕と同時ということもあり、環境が固まるまでの数日は情報のアップデートが早いはずです。まずはベルヴェスとスレッシュ、そしてサポートの動き方の変化に注目してみてください。
