LoLパッチ26.17は、26.16の「構造改革」の答え合わせをする安定化パッチ
LoL パッチ26.17の先行情報(プレビュー)が、リードゲームプレイデザイナーのPhroxzon氏から公開されました。実装は8月26日(水)の予定です。
前回の26.16が「ロームサポートとメイジBOTを構造から直す」大掛かりなパッチだったのに対し、今回はその結果を見届けるための安定化パッチです。Phroxzon氏も「今回はメタを安定させるため、外れ値になっているチャンピオンだけを調整する」と明言しており、システム変更は含まれていません。
とはいえ、中身は地味ではありません。ヴェインTOPへの狙い撃ちナーフ、ゼラスのMID・BOT両対応ナーフ、そしてヤスオ・ヨネをクリティカルビルドに戻すための強化と、レーンの顔ぶれに直結する調整が並んでいます。
パッチ26.17は「26.16で仕掛けたボットレーン改革の経過観察をしながら、TOPのヴェイン・BOTのゼラスという『レンジの圧』に個別ナーフを入れるパッチ」です。強化側はヤスオ・ヨネ・ルブランなど、最近影が薄かった顔ぶれの救済がまとまっています。
この記事は8月19日公開の先行情報(プレビュー)を基にした先取り版です
数値はプレビュー段階のもので、実装までに変更・見送りになる場合があります。26.16でも、予告から数値が変わった項目(アジールQ)や見送られた項目(サモナースペル「ヒール」)がありました。正式パッチノートの公開後、この記事は確定版に更新します。
26.16の結果をRiotはどう見ているか:ローム対策は「効いている」
今回のプレビューで最も重要なのは、新しい変更そのものよりも、26.16の答え合わせです。Phroxzon氏のコメントを整理すると、Riotは現状を次のように評価しています。
ロームサポートについては「通常のロームまで過度に罰したいわけではない」「最適化されすぎない限り、変則的なローム戦略が少数あるのは健全」とも述べており、26.17での追加ナーフはなし。まずは26.16のシステム変更が浸透するのを待つ構えです。
パッチ26.16の記事で、「メイジBOTはすぐには消えず、まずはサポートのロームが実際に減るかどうかを見るのが先」と書きました。今回のプレビューはその途中経過にあたります。
- ロームの減少はプロシーンでは既に観測されている(ソロキューはこれから)
- メイジBOTの勝率低下は「少し」だが想定の範囲内とRiotは評価
つまりRiotは「構造改革は効き始めている」と判断し、追い打ちではなく個別チャンピオンの外れ値調整(ゼラス・ヴェイン)に切り替えたわけです。26.17は、26.16の方針が継続されていることを確認できるプレビューだと言えます。
サモナーズリフトの変更点(先行情報)
今回のプレビューはサモナーズリフトの調整のみで、強化8体・弱体化6体・アイテム2種という構成です。メイヘムやアリーナの変更点は、正式パッチノートで確認でき次第この記事に追記します。
弱体化されるチャンピオン:ヴェイン・ゼラスという「レンジの圧」への手当て
ヴェイン弱体化:TOPでのレーン戦性能を削り、対面に反撃の余地を残す
Riotのコメント:「ヴェイントップは高レベル帯で強力であり、多くのマッチアップにおいて、健全と考えられるカウンタープレイの量を少し超えています。トップでプレイされた際のレーン戦を弱め、レーン相手がガンクやトレードの反撃に使える体力を少し多く残せるようにします」(要旨)。
今回のナーフで最も丁寧に読みたいチャンピオンです。項目は多いものの、狙いは一貫して「レーン戦序盤のW『シルバーボルト』の削り性能を下げる」ことにあります。Wの確定ダメージがランク1で6%→4%と3分の2になるため、序盤のトレードで対面(特に近接ファイター)に残る体力がはっきり増えます。Qのマナコストも序盤は46とかなり重くなり、タンブルを回し続けるハラスにブレーキがかかります。
一方で基礎体力はレベル1で+30されており、成長値の低下と合わせるとレベル7で従来と同値、レベル18では-55という配分です。つまりヴェイン自身の序盤の生存力はむしろ少し上がっていて、「削られて消えるほど弱くする気はないが、一方的に削る側ではなくす」という繊細な調整になっています。実験的ヘクスプレートで耐久を盛りながらレーンも強い、という現在のヴェイントップの万能ぶりを崩すのが目的で、BOTのヴェインへの影響は比較的軽微です(Wの序盤弱体化は共通なので無傷ではありません)。
ゼラス弱体化:MIDとBOTの両方に効く「汎用ナーフ」
Riotのコメント:「ゼラスBOTはAPボットメタの大きな部分を占めていますが、APボット自体は長期的には良い多様性だと考えています。ただ、ゼラスはMIDとBOTの両方で、特に平均的なプレイ帯で好調なため、全体に効く汎用的なナーフを入れます」(要旨)。
26.16の記事で解説したとおり、Riotは「メイジBOTを絶滅させる」のではなく「ADCを置く合理性を取り戻す」方針です。今回もその線に沿っていて、メイジBOTという戦略そのものではなく、その筆頭であるゼラス個人の数値に手を入れる形になりました。
内容は物理防御-2とQの基礎ダメージ-5という控えめなセットですが、物理防御の低下はADCやアサシンから見た「触りに行ったときの倒しやすさ」に直結します。ポークの脅威は残しつつ、距離を詰め切られたときの脆さを増やす調整と読めます。BOTゼラスに悩まされていたADC使いには、26.16の魔法防御+3と合わせて二重の追い風です。
ナサス弱体化:26.16のスタック調整とセットで見る「サステイン回収」
Riotのコメント:「前パッチでトップにスタックパワーを戻す調整を入れましたが、規模が大きすぎる可能性を織り込み済みでした。影響を確認したうえで、今回はトップで得られる合計サステインを減らし、高スタックの達成を少し難しくします。このレバーはジャングルにはほとんど影響しません」(要旨)。
26.16でQ「サイフォンストライク」のスタック獲得が「通常ミニオン4・大型10」に組み替えられ、トップのナサスは大きく効率化されました。その効きが想定より強かったため、固有スキル「ソウルイーター」のライフスティールを全区間で削って回収するのが今回の調整です。
注目したいのは、スタック効率そのものには手を付けていない点です。「トップでスタックは貯めやすいまま、レーンで粘るための回復だけを削る」形なので、ファーム主体のプレイは維持されます。対面からすると、序盤に削り切るチャンスがわずかに広がる調整です。
グレイブス弱体化:Qの増加AD反映をまとめて引き下げ
Q「エンドライン」の増加AD反映が、行きの弾・戻りの爆発の両方で10%ずつ引き下げられます。基礎ダメージはほぼ据え置きなので、アイテムが揃うほど効いてくるタイプのナーフです。ファーストアイテム完成前の序盤のジャングル周回やスカーミッシュへの影響は小さめで、2〜3コア揃ってからのバーストが目に見えて落ちます。
後述のとおり、今回はサンダード スカイにも再ナーフが入ります。ADファイター系ジャングラーの筆頭であるグレイブスは、本体とアイテムの両方から挟まれることになるため、ジャングルの序列に影響が出やすい組み合わせです。
ノクターン弱体化:基礎ステータスを小さく削る
スキルには一切触れず、基礎の物理防御-2と体力-15だけという最小構成です。序盤のジャングル周回とスカーミッシュがわずかに痛くなりますが、R「パラノイア」でのキャリー能力そのものは維持されます。「勝ち筋は残して、事故率だけ少し上げる」タイプの様子見ナーフです。
スレッシュ弱体化:Eのダメージを削り、ハラス性能を抑える
E「絶望の鎖」の発動ダメージが基礎-10、魔力反映-10%と、レーン戦のトレードで積み重なる部分が削られます。フック(Q)やランタン(W)のユーティリティは無傷なので、プレイメイカーとしての強さは変わらず、「殴っても痛いサポート」の側面だけが少し薄くなる調整です。26.16から続くボットレーンの「削り合いを穏やかにする」流れの一環として読むと筋が通ります。
強化されるチャンピオン:ヤスオ・ヨネのクリティカル回帰と、不遇組の底上げ
ヤスオ・ヨネ強化:固有のクリティカルペナルティを半減
Riotのコメント:「短期的には、ヤスオとヨネがクリティカルアイテム(特にファーストアイテム)を積むインセンティブを高め、ルインドキング ブレードやクラーケン スレイヤーに流れがちな状況の天秤を傾けます。長期的にはクリティカルを買って快適に感じてほしいのですが、どのアイテムも彼らにぴったり合っていないことは認識しており、それはいずれ埋めるべきアイテムの穴です」(要旨)。
2人の固有スキルは「クリティカル率2倍・クリティカルダメージ低下」という設計ですが、そのペナルティが-10%から-5%へ半減します。クリティカルを積めば積むほど得をする変更なので、インフィニティ エッジを含むフルクリティカル構成の伸びが素直に良くなります。
Riotが名指しで「ルインドキング ブレードやクラーケン スレイヤーに流れがち」と書いているとおり、現在の2人はオンヒット寄りのビルドが主流です。今回の強化はレーン戦の性能をほぼ変えずに、ビルドの選択肢をクリティカル側へ引き戻す方向に働きます。ファーストアイテムの選択が変わるかどうか、実装後に試したいポイントです。
ルブラン強化:過去のナーフを巻き戻す「復元」バフ
Riotのコメント:「スタティック シヴが極めて優秀なウェーブクリアアイテムだった時期に、ルブランの攻撃速度レシオをナーフしました。シヴをオンヒット寄りにリワークした後もこれを戻していなかったため、今回復元し、あわせて小さなバフを与えます。彼女は現在、どのスキル帯でも強くありません」(要旨)。
攻撃速度レシオの復元は、攻撃速度を上げる手段(ルーンやアイテム)の効きが良くなるという地味な変更ですが、実戦で分かりやすいのはW「ディストーション」の魔力反映80%→90%です。ルブランの主力ダメージかつウェーブクリア手段なので、レーンの主導権とバーストの両方が引き上がります。「どのスキル帯でも強くない」とRiot自身が認めるところまで沈んでいたので、久しぶりにMIDの選択肢に戻ってきそうです。
チョ=ガス強化:Eの基礎ダメージを+10
E「ヴォーパルスパイク」の基礎ダメージが全ランク+10されます。最大体力ダメージ部分は据え置きなので、効いてくるのはレーン戦のCSプッシュとトレードです。通常攻撃に乗るスキルだけに、ランク1から+10はレベル1〜3の殴り合いではっきり体感できる数字で、タンクながら「レーンで押し負けない」チョ=ガスの持ち味を補強します。
イレリア強化:QのAD反映を70%→80%に
Q「瞬刃」のAD反映が10%引き上げられます。QはCS・ハラス・追撃のすべてを担うイレリアの生命線なので、ラストヒットの取りやすさからダメージまで全域に効く強化です。AD反映の引き上げはアイテムが揃うほど伸びるため、序盤より中盤以降のスプリットとスカーミッシュで差が出ます。
キヤナ強化:Qの基礎とAD反映を同時アップ
主力スキルのQが基礎+10、増加AD反映+5%とまとめて強化されます。キヤナはコンボの中でQを複数回撃つため、見た目の数字以上にバースト合計が伸びるタイプの変更です。習熟難度の高さから使用率が伸び悩んでいるチャンピオンなので、火力の上積みで「使いこなせれば強い」の報酬を分かりやすくする狙いと読めます。
トランドル強化:Wの攻撃速度上限を120%に
W「凍てつく大地」の攻撃速度バフが、最大ランクで90%から120%へ大幅に伸びます。ランク1は据え置きなので序盤は変わらず、Wを上げ切る中盤以降のタワー折りと殴り合いが強くなる設計です。スプリットプッシュ型のトップ・ジャングル両方に効く、分かりやすい強化です。
オレリオン・ソル強化:Qのマナを軽くし、Wの回転を上げる
Q「星炎の息吹」の毎秒マナコストが全ランク-10、W「天空への飛翔」の後半クールダウンが-2秒です。オレリオン・ソルはスタック(星の欠片)を貯めてこそのチャンピオンなので、Qを長く焼けるようになるマナ軽減はファーム速度と成長曲線に直結します。ダメージそのものではなく「回す快適さ」を上げる、使用率の低いチャンピオンらしい強化のされ方です。
ヘカリムは先行リストから外れました
8月18日の第一報ではヘカリムも強化リストに名前がありましたが、翌日のフルプレビュー(数値一覧)には含まれていません。実装時に復活する可能性もあるため、正式パッチノートで最終確認します。
アイテムの変更:ストームレイザー強化とサンダード スカイの再ナーフ
ストームレイザー強化:攻撃速度20%→25%
Riotのコメント:「ストームレイザーはジン以外に大きなユーザー層がなく、全体的なパワーを増やして使い手を広げられると考えています」(要旨)。
実質「ジン専用機」になっているアイテムの間口を広げるための強化です。攻撃速度+5%は、26.16のバーサーカー ブーツ強化と同じくADCのDPSに掛け算で効く部分なので、移動速度シナジーを活かせるミス・フォーチュンやアッシュあたりで試す価値が出てきます。
サンダード スカイ弱体化:3パッチ連続のナーフでAD-5・体力-50
Riotのコメント:「サンダード スカイとAPジャングルの変更は方向性としては良好ですが、度合いがまだずれています。今回さらに小〜中程度のナーフを加え、高レベル帯でのAPジャングルとサンダード スカイの支配の変化をより多く見たいと考えています」(要旨)。
26.16でレシピと回復量にメスが入ったばかりですが、それでも足りないとRiotは判断しました。今回は攻撃力-5に加えて、26.16で+450に増えたばかりの体力が+400へ戻されます。完成品のステータスそのものが下がるため、前回の「完成までの過程を弱くする」調整より直接的です。
グレイブス・ノクターンの本体ナーフと合わせると、ADファイター系ジャングラーを本体とアイテムの両面から抑え、APジャングルの居場所を広げるという26.16からの路線がそのまま続いています。ジャングルペット強化で速くなったAPジャングルを試すなら、環境の追い風が重なるこのタイミングです。
今回のプレビュー、結局どのロールが得をする?
正式ノート前の時点で、ロール単位の損得を整理しておきます。
| ロール | 得をする側 | 損をする側 |
|---|---|---|
| TOP | 対ヴェインの近接ファイター全般、チョ=ガス、イレリア、トランドル | ヴェイン(レーン戦)、ナサス(サステイン) |
| JG | APジャングル・タンクジャングル(サンダード スカイ再ナーフの間接的恩恵) | グレイブス、ノクターン、サンダード スカイ依存のADファイター |
| MID | ルブラン、ヤスオ、ヨネ、キヤナ、オレリオン・ソル | ゼラス |
| BOT | ADC全般(ゼラスBOTナーフ+ストームレイザー強化) | ゼラスBOT、ヴェインBOT(W弱体化のとばっちり) |
| SUP | エンゲージ・エンチャンター全般(スレッシュ相対弱体化) | スレッシュ(Eのハラス) |
全体を見ると、最も追い風なのはMIDのADアサシン・ファイター勢と、正統派のADCです。逆に、ここ数パッチ我が物顔だったヴェイントップ・ゼラスBOT・ADファイタージャングルの「3大ストレス源」がまとめて削られるので、平均的なソロキューの体感は良くなる方向のパッチだと言えます。
まとめ:実装までに押さえておく5つのポイント
- ヴェインはTOPのレーン戦を狙い撃ち(Wの序盤確定ダメージ6%→4%)
- ゼラスは物理防御-2とQ-5でMID・BOT両方に効く
- ナサスは固有のライフスティール低下で26.16の強化を一部回収
- ヤスオ・ヨネはクリティカルペナルティ半減でビルドが変わる可能性
- ルブランはWの魔力反映90%で久々の復権候補
- トランドルはW最大120%で中盤以降のスプリットが強力に
- ストームレイザーは攻撃速度25%へ強化
- サンダード スカイはAD-5・体力-50で3パッチ連続の下方
- ADファイターJGは本体・アイテム両面で逆風が続く
- ロームSUP対策は追加ナーフなしで経過観察
- メイジBOTは「想定どおり少し減った」とRiot評価
- ヘイルブレードのマスター・イーらへの影響は監視継続
パッチ26.17は、26.16のような派手な構造変更こそないものの、ヴェイントップ・ゼラス・ADファイタージャングルという「今いちばん強い外れ値」を正面から削るパッチです。安定化パッチと銘打たれていますが、レーンで顔を合わせる相手の顔ぶれは確実に変わります。
強化側ではヤスオ・ヨネのクリティカル回帰が最大のトピックです。ファーストアイテムの選択がルインドキング ブレードやクラーケン スレイヤーからクリティカル系に動くのか、実装後のビルド動向に注目しています。
冒頭のとおり、この記事は先行情報を基にした先取り版です。実装時には数値の変更や項目の見送りがあり得ます。正式パッチノートが公開され次第、メイヘム・アリーナ・クラシックの変更点も含めた確定版に更新するので、実装日の8月26日(水)前後にもう一度チェックしてもらえるとうれしいです。
※数値はパッチ26.17の先行情報(8月19日公開のプレビュー)時点のものです。実装時に変更される場合があります。
