序盤はQでミニオンを取っているだけの、おとなしい相手に見える。ところが中盤、CSを取ろうと一歩前に出たところで足元に檻が出て、縁に触れた瞬間にスタン。頭上から暗黒物質が落ちてきて、最後に大魔法が飛んでくる。体力はまだ半分以上あったはずなのに、気づけばデス画面──ベイガー戦の負け方は、だいたいこの流れです。「いつの間にか一撃で倒される相手になっていた」という感覚が強く、どこで差がついたのかが見えにくいのが厄介なところです。
この記事では、ベイガーに強いカウンターピックと、カウンターを選べなかった試合でも通用する対策をまとめます。先に結論のカウンターピックを紹介し、そのあとベイガーのスキルの仕組み、立ち回り、アイテムの順で解説します。
結論:ベイガーに強いカウンターピック5選
ベイガーのキルは、ほぼ必ずE「イベントホライズン」の檻から始まります。檻でスタンさせ、W「ダークマター」を落とし、R「メテオバースト」で仕留める。この流れの起点は檻の届く距離で、しかもベイガー自身はダッシュやブリンクを1つも持っていません。だからカウンターの条件ははっきりしています。檻の外から一方的に削れること、または魔法ダメージを受け止めて、コンボを耐えきれること。どちらかを持っているチャンピオンが、ベイガーに強い相手です。
ゼラス ─ 檻の届かない距離から、スタンも削りも届く
ゼラスのE「ショックオーブ」は、当たった敵に魔法ダメージとスタンを与えるスキルで、ベイガーのE「イベントホライズン」よりも射程が長いスキルです。W「デストラクションアイ」も同じくらいの距離から落とせて、Q「アルカノパルス」も長射程のビームです。つまりゼラスは、ベイガーの檻が届く距離まで近づかなくても、レーンの交換が成立するチャンピオンです。ベイガーは移動スキルを持たないので、距離を詰める手段がなく、削られた体力のままCSを取るしかなくなります。
ゼラスも移動スキルを持たないので、自分から檻の距離に入ったら立場は逆転します。Eのスタンが当たったときだけWとQを重ね、それ以外は遠くから削るだけで十分。ベイガーがQでミニオンを取ろうと前に出た瞬間が、Eを当てやすいタイミングです。
ラックス ─ 長い射程のスネアで、先に止める
Q「ライトバインド」は最大2体の敵にダメージとスネア効果を与えるスキルで、ベイガーの檻より遠くから当てられます。E「シンギュラリティ」も長い射程でスロウと削りを入れられるので、ゼラスと同じく「檻の外で交換する」ことができます。さらにW「プリズムバリア」は自身と味方にシールドを付けるスキル。ベイガーのコンボを受けそうな場面で、シールドの分だけ体力を上乗せできるのが、ほかの長射程メイジにはない強みです。
Qはミニオンに当たると止まりやすいので、ベイガーがミニオンの列から外れてQのラストヒットに向かう瞬間を狙いましょう。スネアが当たったら、Eと固有スキル「イルミネーション」の追加ダメージまで入れて下がるのが基本の交換です。
ヤスオ ─ 風の壁でQを消し、ミニオンを伝って檻を避ける
W「風殺の壁」は、触れた敵のあらゆる発射物を消滅させる風の壁を作ります。ベイガーのQ「イーヴィルストライク」は闇のエネルギーを撃ち出すスキルなので、壁で受け止められます。E「風薙ぎ」は敵を通り過ぎるようにダッシュするスキルで、ミニオンを伝って動けるため、檻の位置を見てから横へずれやすいのも利点です。固有スキル「浪人道」は移動するほどシールドが溜まるので、ベイガーの削りを1回ぶん受け止めてから殴りかかれます。
檻は「縁を通過した敵」をスタンさせるスキルです。Eで檻の縁を越えるとスタンするので、檻が出たら縁に向かってEを使わないこと。檻が消えてから、ミニオンを伝って距離を詰めましょう。
カサディン ─ 魔法ダメージだけのコンボを、素の体で軽くする
ベイガーのダメージは、Q・W・Rのすべてが魔法ダメージです。カサディンの固有スキル「ヴォイドストーン」は受ける魔法ダメージを減らす効果なので、ベイガーのコンボそのものが軽くなります。さらにQ「ヴォイドスフィア」は当てると魔法ダメージを防ぐシールドも張るスキル。対象指定のスキルなので、ベイガーとの交換で確実に使えます。レベル6からはR「リフトウォーク」で瞬間移動できるようになり、移動スキルのないベイガーに、こちらから距離を選んで戦えるようになります。
カサディンも後半に強くなるタイプなので、レベル6まではCSを落とさないことが最優先。ベイガーが檻を使ったのを見てから、Rで近づいてQとWを入れる流れが安全です。
ガリオ ─ 構えで魔法を受け止め、Rで味方も守る
W「デュランドの守り」は防御の構えを取るスキルで、構えている間は受ける魔法ダメージを軽減し、構えを解くと周りの敵にタウント効果とダメージを与えます。ベイガーのダメージはすべて魔法なので、コンボの途中で構えれば大きく軽くできるわけです。Q「戦の旋風」は魔法ダメージの突風を2つ飛ばすスキルで、レーンでは少し離れた距離から削れます。R「英雄降臨」は味方のもとへ飛んで、範囲内の味方に魔法ダメージを防ぐシールドを付けるスキル。ベイガーがサイドの味方をRで狙った場面に、シールドごと駆けつけられます。
E「正義の鉄拳」は少し下がってから突進し、最初に当たった敵チャンピオンをノックアップします。ベイガーの檻の縁を突進で越えるとスタンするので、Eは檻が消えたあと、またはベイガーが檻を使った直後に使いましょう。
※逆に、
イレリア・
ヨネのように、近づかないと戦えず、ダッシュで距離を詰めるチャンピオンは、檻の縁へ自分から飛び込む形になりやすい相手です。こうしたチャンピオンでベイガーと当たったら、檻を見てから飛び込むのではなく、檻を使わせてから飛び込む順番を守ってください。
ベイガーの何が怖いのか|対策の前提知識
ベイガーの怖さは、「試合が進むほど魔力が増え続ける」「檻で止める」「減った体力ほど大きく削る」の3つが重なっていることです。どのスキルがどの役割かを分けて見ると、どこで流れを切ればいいかが見えてきます。
偉大なる悪の力 ── 「時間が経つほど強くなる」魔力の貯金
敵チャンピオンにスキルを当てたり、キルやアシストを獲得したりすると、ベイガーの魔力が永続的に増えていきます。デスしても減らない貯金なので、ベイガーは時間が経つほど1回のコンボが重くなっていきます。レーンで「スキルをとりあえず当てられる」ことも、ベイガーにとっては成長の材料です。
- 削り合いで五分の交換でも、ベイガー側には魔力が貯まっていく。小さな交換を何度も受けないことが、そのまま後半の被害を減らす
- キルとアシストでも魔力が増える。ベイガーが絡む集団戦や小競り合いを、相手の得になる形で終わらせない
イーヴィルストライク ── ミニオンを倒して魔力を貯める
指定方向に闇のエネルギーを撃ち出し、最初に当たった敵2体に魔法ダメージを与えます。このQで敵ユニットにとどめを刺すと、ベイガーの魔力が永続的に増えます。レーン序盤のベイガーがQでラストヒットばかり狙っているのは、この貯金のためです。2体まで貫通するので、ミニオンの後ろにいても、ミニオン1体ぶんしか盾になりません。
- ベイガーがQでラストヒットを取りに来る瞬間は、ミニオンの列から少し前に出てくる。ここが長射程のスキルを当てるチャンス
- ミニオン1体の後ろに立っても、2体目の自分には当たる。盾にするなら、ミニオン2体以上が重なる位置か、射線から外れる位置に立つ
ダークマター ── 少し遅れて落ちてくる大ダメージ
指定地点に暗黒物質を降らせ、着地したときに魔法ダメージを与えます。落ちてくるまでに間があるので、動いていれば避けられるスキルです。ただし固有スキルのスタックが増えるほどWのクールダウンが短くなるので、後半はほとんど常に撃てる状態になります。
- 単体で飛んできたWは、足元の印を見て横へ歩けば避けられる。止まってCSを取っているときが一番当たりやすい
- 危ないのは檻のスタン中に落とされるW。避けられないのは「スタン中」だけなので、問題は檻に入らないこと
イベントホライズン ── 縁を越えるとスタンする檻
空間をねじ曲げて円形の檻を作り、檻の縁を通過した敵をスタンさせます。大事なのは、スタンするのは「縁を越えたとき」だということ。檻の内側に立っているだけではスタンしません。ベイガーのキルのほとんどはこの檻から始まり、クールダウンも長いので、檻があるかないかでベイガーの強さはまったく変わります。
- 檻に囲まれたときは、縁に向かって歩かない。内側でWの落下地点だけ避けて、檻が消えるのを待つ
- ダッシュで縁を越えてもスタンする。逃げるつもりのダッシュが、かえってコンボの起点になる
メテオバースト ── 減った体力ほど痛くなるとどめ
敵チャンピオン1体を指定して大魔法を放ち、対象の減少体力に応じて増える大量の魔法ダメージを与えます。満タンの相手には控えめでも、体力が減った相手にはとどめとして機能するスキルです。指定して撃つスキルなので、射程に入ってしまうと歩いて避けることはできません。
- 体力が半分を切ったら、Rの射程に入らない位置まで下がる。満タンのときと同じ感覚で前に出ると、Rで一気に持っていかれる
- Rのクールダウンは長い。ベイガーがRを使った直後は、こちらが攻めてよい時間になる
カウンターを選べなかった時の対策|どのチャンピオンでも効く立ち回り
ベイガーはMIDで見かけることが多く、後から選ばれることもあるチャンピオンです。カウンターを出せない試合でも、次の4つはどのチャンピオンを使っていても機能する対策です。
① 檻の距離を「CSを取る位置」の基準にする
ベイガーのコンボは、Eの檻が届く距離に入ったところから始まります。CSを取るときにベイガーとの距離を見て、檻が届く距離ならラストヒットの瞬間だけ前に出て、すぐに下がる。立ち止まる位置を檻の外に置くだけで、レーンで一番怖い流れはほとんど起きなくなります。檻を使わせてしまえば、長いクールダウンの間はこちらが前に出られる時間です。
② ウェーブを押して、先にロームする
ベイガーはダッシュもブリンクも持たないので、サイドへ移動する速さで差をつけやすい相手です。ウェーブを押してからTOPやBOTへ向かえば、ベイガーはミニオンを処理してから歩いて追うしかありません。逆にベイガーがウェーブを押してロームしたときは、すぐに味方へ知らせつつ、こちらはミニオンとタワーを取って得をとる。MIDの主導権を「先に動いた側」が握るのは、どの対面でも同じです。
③ 体力を半分より上に保つ
RはHPが減っているほど痛くなるスキルです。体力が半分を切った状態でレーンに残り続けると、ベイガーにとっては檻1つで仕留められる相手になります。削られたら、ウェーブの区切りで早めに帰還する。体力が減った状態で「あと1ウェーブだけ」と粘るのが、ベイガー戦で一番多い負け方です。
④ 檻を使った直後にガンクを合わせる
ベイガーは移動スキルを持たないので、檻を使った直後はガンクから逃げる手段がほとんどありません。ジャングラーにガンクを頼むなら、ベイガーが檻をミニオンや自分に使った直後。逆に檻が残っているときのガンクは、こちらのジャングラーごと檻で止められて、反撃を受ける危険があります。
アイテムでベイガーを弱くする
ベイガーのダメージはQ・W・Rのすべてが魔法ダメージで、その多くが檻のスタン中に入ります。アイテムは魔法防御と、スタンやコンボを1回止める効果を軸に考えます。
-
マーキュリー ブーツ──檻のスタンを短くする
魔法防御と行動妨害耐性が付くブーツです。行動妨害耐性はスタンの時間を短くするので、檻に捕まったあとの「スタン中にWとRを重ねられる」時間が減ります。魔法ダメージ中心の相手にも素直に効くので、ベイガー対面のブーツの第一候補です。 -
バンシー ヴェール(メイジ)/
ゾーニャの砂時計──コンボを1回空振りさせる
バンシー ヴェールは敵のスキルを1回防ぐシールドが付き、魔法防御も上がります。ゾーニャの砂時計は、発動すると短い間ダメージを受けなくなるアイテム。檻でスタンしたあとでも、Rが飛んでくる瞬間に合わせれば、とどめの1発を空振りさせられます。 -
マルモティウスの胃袋(ファイター)/
ヘクスドリンカー──魔法ダメージを受け止める
どちらも魔法防御が付き、大きな魔法ダメージを受けたときにシールドが張られるアイテムです。ベイガーのコンボのように、短い時間に魔法ダメージがまとめて来る相手ほど効果が大きくなります。物理ダメージのチャンピオンでベイガーと当たったら候補に入れてください。 - 買っても解決しないもの:檻に入ってしまう立ち位置
魔法防御をどれだけ積んでも、檻の縁を越えればスタンします。スタン中のコンボを軽くすることはできても、スタンそのものは防げません。そして後半のベイガーは、魔力の貯金で魔法防御の上から削ってきます。アイテムは「檻に入った後の保険」で、本命は檻の外に立つことだと考えてください。
時間帯別の危険度|いつ戦っていつ逃げるか
- レベル1〜5:ベイガーが魔力を貯める時間。ベイガーはQのラストヒットで魔力を増やすことを優先するので、こちらから削れる時間帯です。Qを取りに前へ出てきた瞬間に交換し、CSで差をつける。ただし檻の距離で立ち止まると、序盤でも檻からの交換を受けるので、距離の基準は守りましょう。
- レベル6〜11:Rでとどめを刺される。Rが加わると、体力の減った相手を仕留める力が一気に上がります。体力が半分を切ったら帰還を考える。満タンなら耐えられるコンボでも、削られた後なら檻1つで落ちる、という意識を持ってください。
- 中盤以降(ロームや小競り合い):檻の待ち伏せ。魔力が貯まったベイガーは、茂みや川の入り口で待ち、檻からのコンボで1人を落としに来ます。ベイガーがマップから消えているときは、視界のない茂みに1人で近づかない。ドラゴンやヴォイドグラブの前に、入り口へコントロール ワードを置いておくと安全に動けます。
- 集団戦:最も危険。檻は円の縁に触れた全員を止めるので、味方が固まっているほど、何人もまとめてスタンします。オブジェクト前の集団戦では、味方同士の間隔を空け、狭い通路で檻に入らないこと。ベイガーが檻を使ったのを見てから、全員で入るのが基本です。
- こちらのターンはいつか:「檻を使った直後」「Rを使った直後」「Qのラストヒットで前に出てきた瞬間」。どれもベイガーから目を離さなければ分かることなので、待っている側が得をします。
ベイガー対策のよくある質問
Q. 檻に囲まれてしまったら、どうすればいいですか?
慌てて外へ出ようとしないことです。イベントホライズンでスタンするのは檻の縁を越えたときなので、内側に立っているだけではスタンしません。内側で、落ちてくるダークマターの印だけを避けて、檻が消えるのを待つのが一番安全です。ダッシュで縁を越えようとすると、そこでスタンしてコンボを受けることになります。
Q. ベイガーが育つ前に、序盤で倒し切るべきですか?
倒せるなら理想ですが、無理に狙う必要はありません。ベイガーの魔力の貯金はデスしても減らないので、1回キルしても後半の強さはあまり変わらないからです。それより、Qのラストヒットを邪魔して貯金を遅らせ、CSとタワーの差をつける方が確実です。序盤に差をつけた分は、サイドへのロームやオブジェクトで試合全体の得に変えましょう。
Q. ジャングラーのガンクは、いつ頼めばいいですか?
ベイガーが檻を使った直後です。ベイガーは移動スキルを持たないので、檻がない状態ではフラッシュ以外に逃げる手段がありません。逆に檻が残っているときにガンクを頼むと、こちらの2人がまとめて檻に捕まり、Rで返り討ちにされることがあります。ピンを出すときは「檻があるかないか」を必ず確認してください。
Q. 後半、どうしてもワンショットされてしまいます。
後半のベイガーとは、正面から1対1で向き合う場面を作らないことが一番の対策です。檻の射程と、Rの射程はどちらも長くありません。集団戦では味方の後ろから、ベイガーが檻を使うのを待ってから前に出る。マップで姿が見えないときは、1人で茂みに入らない。魔法防御のアイテムは、こうした立ち回りと組み合わせて初めて効きます。
自分のチャンピオンからみたベイガーとの相性は?
この記事はベイガー対策の総論です。「自分が使うチャンピオン」対「ベイガー」の個別の相性と立ち回りは、対面チェッカーで確認できます。ピック画面で開いて、その試合の方針決めに使ってください。
まとめ|ベイガー対策は「檻の外に立つ」と「貯金の前に差をつける」
ベイガー戦の難しさは、レーンでの負けが目に見えにくいことにあります。CSで勝ち、キルも取られていないのに、20分過ぎにはこちらのキャリーが一撃で倒されている。だからこそ、レーンの勝ち負けを「MIDの中」だけで測らないことが大切です。序盤に作った差は、ベイガーより先にサイドへ動いて、味方のレーンとオブジェクトに配っておく。ベイガーが育ちきる頃に、試合がこちらに傾いている状態を作るのが理想です。
次にベイガーと当たったら、ロード画面で味方のジャングラーとサポートに「ベイガーの檻が落ちてからガンク・集団戦」と一言伝えておきましょう。檻の有無を自分だけでなくチーム全体で見ておくと、集団戦で何人もまとめて止められる事故がぐっと減ります。そしてミニマップでベイガーの位置を見る回数を、他の対面のときより1回増やす。それだけで、待ち伏せの檻に入る場面はかなり減ります。
- ピックで対策するなら:檻の外から削るゼラス、長射程のスネアとシールドを持つラックス、風の壁でQを消すヤスオ、魔法ダメージを軽くするカサディン、構えとRで魔法を受け止めるガリオ
- ピック以外で対策するなら:檻の届く距離で立ち止まらない、体力を半分より上に保つ、檻を使った直後に反撃・ガンク
- アイテムなら:マーキュリー ブーツと魔法防御。バンシー ヴェールやゾーニャの砂時計でコンボを1回空振りさせる
ベイガーを使う側がどうやって魔力を貯め、どこで檻を置いているかは、ベイガー MID完全攻略で解説しています。カウンターとして紹介したチャンピオンの使い方は、ラックス MID完全攻略とガリオ MID完全攻略をどうぞ。MIDレーン全体のチャンピオン選びはMID攻略まとめで確認できます。

